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地方民は最低賃金安すぎて東京のイベントに参加できないよ問題について考えてみる

アニメ・ゲーム・声優などの所謂「オタク趣味」ですが、以下のようなことがたびたび話題に上がります。

「なんでイベントは東京ばかりなの?遠くて行けないから地方でもやってよ。」

最近この話題の中で「最低賃金が安くて東京に行けない」というものがありました。
今回は本当に最低賃金が問題なのかをちょっと考えてみようと思います。

前提条件

この問題を考えるにあたり、とりあえず以下のように条件を設けようと思います。

対象:大学生以上
収入:各都道府県での最低賃金をベースとし、1日8時間、月20営業日働くものとする
支出:各都道府県での平均借家家賃と平均消費支出(単身世帯)
交通費:東京までのおおよその交通費(往復)
円盤代:固定で8000円とする
チケット代:固定で7000円とする
イベント参加費:円盤代とチケット代と交通費の合算値
イベント参加回数:年間計12回とする

高校生を対象としないのは、この手の話題で「自動車の維持費」が地方民の難点として挙げられるからです。

収支整理

ひとまず条件として定義したものの収支について、総務省などで公開されている情報を使用して整理します。
ものによっては年度が違ったりしますが、提供されているものの最新の情報を使用することにします。

年間最低賃金

平成27年度地域別最低賃金(上位10位と下位10位)は以下のようになっています。

都道府県 最低賃金(円)
東京 907
神奈川 905
大阪 858
埼玉 820
愛知 820
千葉 817
京都 807
兵庫 794
静岡 783
三重 771
青森 695
佐賀 694
長崎 694
熊本 694
大分 694
鹿児島 694
鳥取 693
高知 693
宮崎 693
沖縄 693

データ引用元:平成27年度地域別最低賃金改定状況(厚生労働省)

東京との最低賃金の差は214円もありますね。
最低賃金が最も安い都道府県の中から、今回は宮崎を東京都の比較対象にしようと思います。

東京の年間収入額は907円 * 8時間 * 20日 * 12ヵ月 = 1741440円
宮崎の年間収入額は693円 * 8時間 * 20日 * 12ヵ月 = 1330560円

年間平均借家家賃

総務省調べでは月の平均家賃は以下のようになってるらしいです。

都道府県 1か月当たりの借家家賃(円)
東京 77174
宮崎 38447

データ引用元:「平成25年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)

東京の年間平均借家家賃は77174円 * 12 = 926088円
宮崎の年間平均借家家賃は38447円 * 12 = 461364円

年間平均消費支出

単身世帯の1ヵ月当たりの平均消費支出は以下のようになってるらしいです。

単身世帯の消費支出:124012円(除く住居等)

データ引用元:「家計調査報告(家計収支編)―平成28年(2016年)1~3月期平均速報―」(総務省統計局)

上記の金額を指数100とします。
尚、上記の金額には自動車の維持費も含まれています。

で、東京と宮崎の指数からそれぞれの平均消費支出を割り出します。

都道府県 総合指数(除く住居)
東京 103.1
宮崎 97.1

データ引用元:「小売物価統計調査(構造編)年報 平成26年」(総務省統計局)

東京の年間平均消費支出は124012円 * 1.031 * 12 = 1534276円
宮崎の年間平均消費支出は124012円 * 0.971 * 12 = 1444988円

イベント参加費

イベント参加費は前提条件の通り、円盤代とチケット代と交通費の合算値とし、年間12回参加での額を算出します。

東京住まいの場合は交通費を0円として考えます。
宮崎~東京間の交通費はTravel.jpで調査。

宮崎~東京間往復飛行機

引用元:Travel.jp 宮崎~東京(羽田)検索 画面キャプチャ

おおよそ32000円くらいってことでいいですかね?

東京在住での年間イベント参加費は(8000円 + 7000円 + 0円) * 6 = 90000円
宮崎在住での年間イベント参加費は(8000円 + 7000円 + 32000円) * 6 = 282000円

これを見ると地方民が月に1回イベント参加は相当厳しいですね。。。

年間収支算出

ひとまず、イベント参加は抜きにしての収支を考えてみようと思います。

都道府県 収入(円) 借家家賃(円) 消費支出(円) 収支(円)
東京 1741440 -926088 -1534276 -718924
宮崎 1330560 -461364 -1444988 -575792

これじゃ東京とか地方とか関係なく生活ができないんじゃないですかね…。

一応、イベント参加費も加えた収支を出してみましょう。

都道府県 収支(円) イベント参加費(円) 収支合計(円)
東京 -718924 -90000 -808924
宮崎 -575792 -282000 -857792

いやいや、これじゃ東京都民もイベント参加どころか生活ができてないから…。

平均賃金での年間収支算出

最低賃金での収支がいろいろと絶望的だったので、平均賃金での収支も出してみようと思います。
東京と宮崎の平均賃金は以下のようになってるらしいです。

都道府県 平均賃金(円)
東京 383000
宮崎 238100

データ引用元:「平成27年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

平均賃金で見ても東京と宮崎はかなり差がありますね。
東京の年間平均収入は383000円 * 12 = 4596000円
宮崎の年間平均収入は238100円 * 12 = 2857200円

イベント参加抜きでの収支は以下となります。

都道府県 収入(円) 借家家賃(円) 消費支出(円) 収支(円)
東京 4596000 -926088 -1534276 2135636
宮崎 2857200 -461364 -1444988 950848

おぉ、黒字ですよ黒字。最低賃金での結果とは大違い。
平均賃金と最低賃金に差がありすぎて、踏み込んではいけない領域に入ってきた気がします。。。

さて、イベント参加費を加えた収支を見てみましょう

都道府県 収支(円) イベント参加費(円) 収支合計(円)
東京 2135636 -90000 2045636
宮崎 950848 -282000 668848

確かにイベント参加について賃金で大きく左右されるみたいですね。

まとめ

最低賃金で考えると東京とか地方とか関係なく、普段の生活ができないのでイベントどころではないです。
平均賃金でなら回数は制限されますが、東京に全く行けないということは無いようです。
計算方法として正しかったかどうかわかりませんが。。。

極力節約して旅費を貯めるしかないってことですね。