システムエンジニアとして約10年間勤めていた会社を辞め、今は自宅で休養を取っています。
しばらくしたら同じ業界に復帰しようかと考えています。
しかし、その選択が本当に正しいことなのかはわかりません。
自分にとって何が最善なのか。
自分にとってどんな職に就くことが幸せなのか。
時間的拘束がなくなった今が自分自身を見つめ直すいい機会だと考え、少々これまでのことを振り返りつつ考えてみようと思います。
目次
なぜシステムエンジニアを選んだのか
正直なところ、システムエンジニアという職を選んだ理由というのは特にありません。
特にやりたいこともなく、何かを作るのが好きで、パソコン使って何かしたいなぁくらいの気持ちでシステムエンジニアを選びました。
自分の性格や体力的に体を使った仕事は向いてないというのもあります。
システムエンジニアになって正解だったのか
正解か不正解かで考えたら正解だったと思います。
ただ、自分の性格は日本のIT企業には向いてないなとも感じました。
定時間内の作業で決められた期日に必要十分な品質で確実に納品する。
それは至極当然のことだと思います。
しかし、実際に企業勤めをしてみるとその当然のことができてないことがほとんどでした。
初めての案件は参画時には炎上が約束された状態で、研修期間が終わると同時に残業の日々です。
その時はまだ自分が未熟だから残業せざるを得ないものだと思っていました。
しかし、スキルを磨いてもその状態が改善されることはなかったのです。
自分が参画する案件はどこも炎上することが事前にわかっており、自分は消火活動の要員と化してました。
そもそもなぜ炎上するのか。
プロジェクトが炎上するのは大きく分けて三つの理由があると考えています。
それは「メンバーのスキル不足」「マネージャーのスキル不足」「営業の知識不足」です。
メンバーのスキル不足でなぜ炎上するのか
これは単純に時間内に終わらせることができないからです。
ある一定以上のスキルを持っていれば定時間内とはいかなくても、短い残業時間で作業をこなすことはできます。
開発フェーズの場合、根本的なプログラミング知識が必要不可欠です。
基礎知識があれば、ある程度のことなら少し調べるだけで作業することは可能です。
設計フェーズの場合、キーボードで文字を打つことができればどうにかなります(極論ですが)。
しかし、知識があってキーボードで文字が打てるだけでは時間内に作業を終えることができません。
時間内に作業を終わらせるには、ある程度のことは効率よく進める必要があります。
例えば、「子供5人にお菓子を3個ずつ配ります。お菓子はいくつ必要でしょう?」という問題があったとします。
これを非効率的に考えると「3+3+3+3+3=15」という式になります。
間違ってはいないですが、これは「3×5=15」とするのが望ましいと思います。
設計や開発も同じなのです。
いかに楽するかを考えずに作業をするメンバーが多いと炎上する可能性が高まります。
マネージャーのスキル不足でなぜ炎上するのか
プロジェクトが炎上するかどうかはマネージャーの匙加減と言ってもいいかもしれません。
プロジェクトを円滑に進めるため、プロジェクトマネージャーはプロジェクトメンバーに作業指示を出します。
その際、各々のスキルを把握しているマネージャーならそこを考慮して作業分担をすると思います。
しかし、それが把握できていないマネージャーも少なくありません。
また、お客さんとの打ち合わせの際に発生する仕様変更や要件追加等もマネージャーの匙加減でやるかやらないかが決まったりします。
仕様変更や要件追加はもともとの要件定義には存在しなかった内容なので、本来は別途契約が必要となるのが普通です。
しかし、仕様変更や要件追加を最初の契約時に決められた納期内で対応してほしいと考えるのがお客さんです。
そこでマネージャーが「やります」と言ってしまった場合、納期が変わらずに作業が増えることになります。
余裕を持ったスケジューリングができていれば対応可能かもしれませんが、そうでなかった場合は簡単にプロジェクトは炎上します。
お客さんとの取引がなくなることを恐れて「やります」と言ってしまうんでしょうね。
営業の知識不足でなぜ炎上するのか
案件を取ってくるのはシステムエンジニアではなく営業の仕事です。
今現在の会社内の空きは何人か、空いてる人材のスキルが案件とマッチしているか、案件の内容的に可能な納期となっているか等を営業の人は判断する必要があります。
その判断をするため、営業は案件に対して最低限の業界・業務知識が必要です。
案件を取ってくるだけの営業の場合、スキルアンマッチや根本的に無理な納期の案件も平気で取ってきます。
スキル的にできないことを無理な納期にやれと言われてもできるはずがありません。
間違いなく炎上します。
しかし、そういったことを指摘すると「自分が案件を取ってきたからお前らは仕事ができるんだ。だから文句を言われる筋合いはない。むしろ感謝しろ。」ぐらいの勢いで話をしてくる営業も少なくありません。
スキルアンマッチの案件や無理な納期の案件を取ってくることが感謝に値するのでしょうか
IT企業にとっての商品は技術力です。
IT企業の営業は自社の技術力を売り込み、案件を取ってくるのが仕事です。
その技術力はシステムエンジニアやプログラマの実績から生まれるものです。
営業が案件を取ってくるからシステムエンジニア・プログラマは仕事ができる。
システムエンジニア・プログラマが成果を出すから営業は売り込む商品ができる。
営業とシステムエンジニア・プログラマはそうやって会社の歯車になっています。
どちらが偉いというものはありません。
それが本質的に理解できていない営業は会社の癌だと自分は思っています。
こういった理由でプロジェクトは炎上します。
私が参画していた案件の大半はマネージャーのスキル不足による炎上が多かったです。
度重なる仕様変更と要件追加、変わらない納期。
残業を極力したくない自分にとっては地獄でしたね。
会社の規則で「定時以降の1時間は休憩時間」というのも残業をしたくない理由の一つです。
だって客先常駐作業をしている人が自社の規則だからって定時以降に休憩できるわけないじゃないですか。
ぶっちゃけこれって1時間はサービス残業してくださいって言ってるようなもんです。
そういったこともあり、自分は定時間内に極力作業を終わらせるようになりました。
しかし定時間内に作業を終わらせて帰るというのは周りから良い目では見られないのです。
「自分たちは遅くまで作業してるのに何であいつは帰るんだ」と不平不満が上司に行くわけです。
こちらとしてはそんなことを言われる筋合いはありません。
だって決められた作業を決められた時間内で終わらせて帰ってるだけなのですから。
そんな状態になると、正直居心地は良くないですよね。
それが日本のIT企業には向いてないなと思った理由です。
自分にとっての天職とは何なのか
人がなんかしらの行動をするとき、以下の4パターンに分けられると考えています。
1.やりたい、できる
2.やりたくない、できる
3.やりたい、できない
4.やりたくない、できない
それぞれのパターンについて簡単にまとめてみます。
やりたい、できるパターン
自身がやりたいと思っていることを自身で実践することができるパターンです。
生活するうえで必要な収入が得られているなら一番幸せな状態かもしれません。
やりたくない、できるパターン
大半の会社員がこれに分類されると思います。
生活するために仕事をしているが、それ自体は別にやりたいものではない。
むしろ可能ならやりたくないと考えてしまう。それがこのパターンです。
やりたい、できないパターン
どうしてもやりたいけど才能がなさ過ぎてできない、または大きな夢を持っているけど叶えるだけのスキルがない。
そういった人はこのパターンに分類されます。
しかしこれは資金とコミュニケーション能力があるのなら他の人に作業を任せればいい話です。
やりたくない、できないパターン
これは社会不適合者です(ぁ
私の場合、「何かを作るのが好き=やりたい」「プログラミングのスキルがある=できる」とすると、やりたいことができていたシステムエンジニアは天職だったんじゃないかと思います。
ではなぜ天職に就けていたはずなのに会社を辞めてしまったのか。
それは社内の居心地の悪さや体制のひどさに我慢の限界だったからです。
天職に就けたから幸せかといったらそうではありません。
自分の作業のしやすい環境で、自分のやりたいことをやる。
それこそが仕事において最高の幸せとなるのではないでしょうか。
この考え方には賛否両論あると思いますが、約10年間溜めに溜めた私の愚痴みたいなものなので適当に流していただけると助かります。